「輸出」と「積戻し」を分かりやすく解説!
輸出(関税法第2条第1項第2号)
輸出とは内国貨物を外国に向けて送り出すことをいう。
関税法でいう「輸出」とは、私たちが普段考える「日本から外国に物を送ること」とほぼ同じ意味です。ただし、輸出を正確に理解するには「内国貨物」という言葉を知る必要があります。
尚、ここで知っておきたい別の言葉が「積戻し」です。
「積戻し」は、一見すると輸出と似ていますが、関税法上は違います。
- 輸出:日本国内にある「内国貨物」を外国に送ること
- 積戻し:日本国内にある「外国貨物」を外国に送ること
要するに、日本の物を外国に送るのが輸出、外国の物をまた別の外国に送るのが積戻しです。
日本国内にあるのに「外国貨物」ってどういうこと?と思うかもしれませんが、日本にある物でも「外国貨物」とされるものがあります。
外国貨物は輸入許可前の外国由来の貨物、内国貨物は輸入許可済みまたは日本国内で生産された貨物です。
「内国貨物」や「外国貨物」について、詳しくは下記の記事で紹介しています。
積戻し
「積戻し(つみもどし)」とは、簡単に言うと日本に一度持ち込まれた外国の貨物を、別の国や元の国に送り返すことです。これを関税法では「輸出」とは別のものとして区別しています。
具体的には、次のようなケースが「積戻し」に該当します:
外国から日本に届いたけど、輸入手続きをせずにそのまま別の国へ送る場合
例:アメリカから日本の港に届いた品物を、検査後に中国へ送り出す。
下記のポイントを押さえておきましょう。
外国貨物が対象
「日本国内のもの(内国貨物)」ではなく、輸入手続きが済んでいないものや、特定の条件で外国貨物とみなされるものが積戻しに該当します。
外国へ送り返す行為
日本から外国へ送る点は「輸出」と似ていますが、積戻しは「日本の物」ではなく「外国の物」を送るという点が違います。
要するに、外国の物を他の国へ送り出す場合は「積戻し」と呼ぶ、と覚えると分かりやすいでしょう。
最後に
「輸出」は「輸入」と違い、定義は単純ですね。
以上、本記事は「輸出と積戻し」を説明しました。通関士を目指す方、貿易知識を身につけたい方、筆者と友達になりたい方(?)はぜひ他の記事もご覧ください!
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